人事評価システムの導入により、小規模企業は業務効率の改善や評価基準の統一などを期待できます。従業員のモチベーション向上や離職率の低下にもつながる取り組みです。
ただし、製品選びを誤ると、期待した効果が得られないことがあります。
本記事では小規模企業を対象に、人事評価システムのメリット、選び方、注意点などを解説するとともに、人事評価システムの種類とおすすめの製品10選を紹介します。自社に合っている人事評価システムを見つけたい方は参考にしてください。
目次
小規模企業における人事評価の実態とは?
中小企業庁が発表している「2025年版 中小企業白書」によると、人事評価制度を設けている中小企業の割合は全体の40%程度です。従業員規模別に、人事評価制度を設けている中小企業の割合を紹介します。
| 従業員規模 | 人事評価制度を設けている中小企業の割合 |
| 全体 | 40.6% |
| 100名超 | 78.9% |
| 50名超100名以下 | 68.1% |
| 30名超50名以下 | 52.6% |
| 30名以下 | 25.1% |
従業員規模が小さい企業ほど、人事評価制度を設けている割合が低いといえます。従業員規模が大きくなるほど個々の実績を把握しづらくなり、その分人事評価制度の必要性が高まると考えられます。
小規模企業の定義はケースにより異なりますが、中小企業基本法では次のように定義されています。
| 業種 | 小規模企業の定義 |
| 製造業その他 | 従業員20人以下 |
| 商業・サービス業 | 従業員5人以下 |
以上の定義を当てはめると、人事評価制度を設けている小規模企業の割合は25%程度です。4社に1社程度と考えられ、その割合は比較的低いと判断できるでしょう。
出典:(pdf)中小企業庁「2025年版 中小企業白書|第2部 新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略|第1章中小企業の経営力」
出典:e-GOV法令検索「中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)」
小規模企業における人事評価の重要性
人事評価制度の導入は、小規模企業にとっても重要な取り組みです。導入により次の効果を期待できます。
【人事評価制度の重要性】
- 公正・公平な評価で離職率を低下させる
- 従業員の成長を促し組織力を強化できる
- 社内のコミュニケーションを活性化させる
- 評価制度の明確化により採用力が向上する
ここでは、これらのポイントについて解説します。
公正・公平な評価で離職率を低下させる
人事評価制度の導入により、離職率を引き下げられる可能性があります。評価のプロセスが明確になり、従業員の納得感が増すためです。
また、従業員が評価基準を理解することで、働きやすさが増します。上司の顔色ではなく、評価基準をもとに努力できるようになるためです。
以上の効果は「2025年版 中小企業白書」でも示唆されています。従業員数100名超の事業者を分析対象とした調査結果は次の通りです。
| 従業員の定着率 | 人事評価制度を設けている | 人事評価制度を設けていない |
| 7割以上の企業 | 49.1% | 35.1% |
| 3割以上7割未満の企業 | 43.4% | 53.0% |
| 3割未満の企業 | 7.5% | 11.9% |
人事評価制度を設けているほうが、定着率7割以上の企業の割合が高くなっています。人事評価制度だけの効果と言い切ることはできませんが、従業員の定着率によい影響を与える可能性が示されています。
出典:(pdf)中小企業庁「2025年版 中小企業白書|第2部 新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略|第1章中小企業の経営力」
従業員の成長を促し組織力を強化できる
人事評価制度の導入は、組織力のアップにもつながります。評価基準が明確になることで、従業員の能力を客観的に把握できるようになり、適材適所の人員配置を行えるためです。
たとえば、各従業員の得意分野にあわせて、業務を割り振るなどの対応が考えられます。少人数で事業を運営する小規模企業にとって、有意義な効果といるでしょう。
人事評価制度の導入を、従業員の成長につなげることもできます。社内におけるキャリアアップの道筋を示せるためです。各従業員が目標を設定しやすくなります。
また、目標が明確になることでモチベーションも高まるでしょう。企業が見据える方向に、従業員を導ける点もポイントです。結果として、組織力の向上につながります。
社内のコミュニケーションを活性化させる
人事評価制度の導入は、社内におけるコミュニケーションの活性化にも役立ちます。評価のプロセスで、各従業員とコミュニケーションを図るためです。
たとえば、少人数で話し合う、1対1で話し合うなどが考えられます。これらのプロセスは、公正・公平な評価に欠かせません。社内のコミュニケーションが活性化することで、これまでよりも働きやすい環境になるでしょう。
従業員数が少ない小規模企業では、一部の従業員が抱く不平不満が全体に波及しやすい傾向があります。誰もが納得して働ける環境を維持することは、定着率や組織力の向上につながります。一人ひとりの従業員とコミュニケーションを図りつつ、納得感のある評価を実践することが重要です。
評価制度の明確化により採用力が向上する
人事評価制度の導入は、採用力の向上にも寄与します。評価のプロセスが明確になることで、入社後のキャリアアップを重視している求職者にアピールできるためです。キャリアビジョンを描きにくいB社ではなく、評価のプロセスが明確でキャリアビジョンを描きやすいA社を選ぶなどが考えられます。
ただし、単に評価制度を導入するだけでは不十分です。優れた制度を導入しても、求職者に伝わりません。採用活動で自社の強みとして活用したい場合は、人事評価制度自体を積極的に発信することが大切です。
採用サイトを立ち上げて、制度の概要を説明したり、従業員の感想を掲載したりすると魅力が伝わるでしょう。
小規模企業が人事評価システムを導入するメリット
人事評価制度の導入により、以上の効果を期待できます。ただし、従業員数が少ない小規模企業にとっては、負担感の大きな取り組みになることがあります。必要性を感じているものの、対応が難しいと感じている場合は、人事評価システムの活用を検討するとよいでしょう。
人事評価システムの導入には以下のメリットがあります。
【メリット】
- 評価業務を効率化できる
- 評価基準を統一できる
- 人材育成体制を強化できる
- 多様な勤務環境に対応できる
- 組織全体のパフォーマンスを把握できる
ここでは、各メリットについて詳しく解説します。
評価業務を効率化できる
人事評価システムの導入により、評価業務を効率化できます。次の変化が生じるためです。
【導入で生じる変化】
- 評価シートの配布・回収をシステム上で行える
- データの集計や分析を自動で行える
- 人事評価に関係する情報を一元管理できる
手間と時間を要していた評価業務を効率化でき、担当者の負担を大幅に軽減できます。
たとえば、データ管理の方法を表計算ソフトから人事評価システムに変えるだけでも、多くの手間を削減できるでしょう。システムの導入により、人事評価にかける時間を50%削減できた事例もあります。
評価業務の効率化は、従業員数が少ない小規模企業にとって大きなメリットです。限られた人員でも、人事評価制度を導入・運用する道が開けます。
評価基準を統一できる
導入により、社内の評価基準も統一できます。システム上で共通の評価項目と評価基準を設定できるためです。また、KPI達成率や資格取得など、客観的なデータをもとに評価するため公平性も向上します。
表計算ソフトなどを使用する従来の人事評価は、部署や評価者により評価項目や評価基準が異なる問題を抱えていました。個人的な感情や印象が、評価に影響を与えることも少なくありません。
人事評価システムの導入により、これらの問題を解決できます。人事評価に対する満足度や定着率の向上につながるでしょう。人材確保に課題を抱えている小規模企業にとって、人事評価システムの導入は意味のある取り組みと考えられます。
人材育成体制を強化できる
人材育成も効率よく行いやすくなります。各従業員の目標と評価をシステム上で管理できるためです。ある従業員が複数のプロジェクトに関わっている場合でも、各プロジェクトのリーダーがシステム上で目標と評価を確認して一貫性のあるアドバイスを行えます。
システム上で一元管理するデータを自動で分析できる点もポイントです。業務から評価・フィードバックまでの時間を短縮できるため、アドバイスを次の業務に活かしやすくなります。
また、人事評価システムを導入すると、面談結果を記録できるため、上司、従業員とも日々の行動を振り返りやすくなります。さまざまな角度から、人材育成を強化できる点も魅力です。
多様な勤務環境に対応できる
人事評価システムの導入により、さまざまなビジネスの環境にも対応しやすくなります。システム上のデータをもとに、適材適所の人員配置を行えるためです。
具体的には、従業員の経験や実績、従業員が取得している資格などをもとに、プロジェクトの特性に合わせて人員を配置するなどが考えられます。従来の方法では記憶を頼りに人員配置を行うため、特定の従業員に業務が偏ったり、従業員の能力を十分に活用できなかったりすることがあります。いずれも限られた人員でやりくりする小規模企業にとっては大きな問題です。
また、人員配置におけるミスマッチを減らすことで、従業員の満足度やモチベーションも高められます。
組織全体のパフォーマンスを把握できる
人事評価システムを導入すると、各従業員の人事データを一元管理して分析できます。それぞれの能力や実績をもとに、組織全体のパフォーマンスを把握することも可能です。
たとえば、競合他社に比べて有資格者が少ないため、教育を強化する必要があるなどの結論に至ることもあるでしょう。あるいは、評価データをもとに、自社ならではの強みに気づくことも考えられます。
従業員数が少ない小規模企業の場合、管理者が主観的に組織全体のパフォーマンスを把握していることがあります。
ただし、その認識が正しいものとは限りません。経験によるバイアスがかかるためです。人事評価システムの中には、データに基づく評価の分布を視覚的に表示するものがあります。
このような製品であれば、組織全体のパフォーマンスを簡単かつ客観的に把握できます。
小規模企業に適した人事評価システムのタイプ
人事評価システムは、以下のタイプに分かれます。
【タイプ】
- 人事評価に特化したタイプ
- 人事情報管理に対応したタイプ
- タレントマネジメントに対応したタイプ
- 1on1面談に対応したタイプ
ここでは、各タイプの特徴を解説します。
人事評価に特化したタイプ
人事評価業務に必要な機能を厳選して搭載しているタイプです。不要な機能を搭載していないため、人事評価システムに慣れていない場合でも、業務を効率化しやすい傾向があります。必要最低限の機能でよい小規模企業に、特に適しているタイプといえるでしょう。
具体的には、評価シートの作成・配布・回収、進捗状況の管理など、重要な機能を搭載しています。クラウドタイプの製品を選ぶと、リアルタイムで情報を共有でき、業務の効率化を進めやすくなります。人事評価に特化したタイプの例として、「ヒョーカクラウド」や「MINAGINE人事評価システム」が挙げられます。
人事情報管理に対応したタイプ
人事評価業務に加えて、人事情報管理に必要な機能を搭載しているタイプです。人事評価に特化したタイプよりも、幅広い業務に対応しています。管理できる情報の例は以下の通りです。
【管理できる情報の例】
- 基本情報
- 所属部署
- 学歴
- 職務履歴
人事台帳を作成する機能など、これらの人事情報を活用する機能も原則として搭載しています。データを一元管理して、業務に活かせる点が魅力です。
ただし、機能の増加にともない、操作は複雑になる傾向があります。導入の目的を踏まえて選択することが重要です。人事情報管理に対応したタイプの例として「GooooN」や「ヒトマワリ」が挙げられます。
タレントマネジメントに対応したタイプ
人事評価業務と人事情報管理に加えて、人材管理に関する機能を搭載しているタイプです。システム上のデータを活用して、人事評価業務の効率化だけでなく、スキル管理、人員配置、離職防止などにも取り組めます。
具体的な機能として、スキル分布を見える化する機能や人員配置をシミュレーションする機能などが挙げられます。多機能で魅力的ですが、小規模企業の場合は必要性を検討してから導入することが大切です。タレントマネジメントに対応したタイプの例として「カオナビ」や「HRBrain」が挙げられます。
1on1面談に対応したタイプ
1on1面談の定着に役立つ機能を搭載しているタイプです。納得感のある人事評価を実現したい場合や従業員が人事評価に不満を抱いている場合に適しているタイプといえるでしょう。具体的には、次の機能などを搭載しています。
【搭載している機能の例】
- 1on1面談の実施をサポートする機能
- 面談の結果を記録・確認できる機能
- 目標の進捗を管理する機能
これらのデータを、人事評価に活用することもできます。人事評価と目標管理の業務効率を高められるでしょう。1on1面談に対応したタイプの例として「コチーム」が挙げられます。
小規模企業に適した人事評価システムの選び方
小規模企業が人事評価システムを選ぶときに意識したいポイントは以下の通りです。
【意識したいポイント】
- 自社の評価制度に合うタイプを選ぶ
- 従業員が使いやすいシステムを選ぶ
- 導入と運用のコストバランスを確認する
- 提供形態(クラウドまたはオンプレミス)を検討する
- サポート体制やセキュリティ対策を確認する
ここでは、これらのポイントについて解説します。
自社の評価制度に合うタイプを選ぶ
人事評価システムが、自社の人事評価制度に合っているか確かめます。相性が悪いと、制度の見直しを迫られたり、導入したシステムを有効活用できなかったりすることがあるためです。参考に、代表的な評価方法を紹介します。
| 評価方法 | 概要 |
| コンピテンシー評価 | 結果を出している従業員の行動特性をもとに評価基準・評価項目を策定する方法 |
| MBO評価 | 各従業員の目標を設定して進捗を管理する方法 |
| 360度評価 | さまざまな角度(上司、同僚、部下など)から1人の従業員を評価する方法 |
人事評価システムによっては、特定の評価方法に対応していないことがあります。問題なく活用できることを確かめておきましょう。また、自社ならではの評価基準を設けている場合は、対応の可否(カスタマイズできるか)を確認しておくことも大切です。カスタマイズ性が高いと、自社の人事評価制度をシステム上に反映しやすくなります。
従業員が使いやすいシステムを選ぶ
人事評価システムを操作する従業員が使いやすいものを選ぶことも大切です。複雑な操作を必要とすると、業務効率を改善できないことがあります。たとえば、評価シートの作成に時間がかかる、目的のデータを見つけられないなどが考えられます。このようなトラブルが連続すると、業務に浸透するまで時間がかかるため注意が必要です。
人事評価システムの操作感は、無料トライアルなどで確かめられます。使いやすい製品を選ぶポイントは、実際に操作する従業員の意見を聞くことです。担当者の意見を無視すると、業務に馴染まないことがあるため気をつけましょう。
導入と運用のコストバランスを確認する
人事評価システムの導入と運用には一定の費用がかかります。長期的に利用することを想定して、無理なく支払い続けられる製品を選ぶことが大切です。参考に、一般的な費用の目安を紹介します。
| 分類 | クラウド型 | オンプレミス型 |
| 初期費用 | 0万円~20万円 | 100万円~ |
| 運用費用 | 1万円~6万円/月 | 10万円~/月 |
具体的な金額は、導入する人事評価システムや従業員数、オプションサービスの有無などにより異なります。したがって、個別に見積もりをとって確認する必要があります。コストパフォーマンスを重視したい場合は、同じ条件で複数のベンダーから見積もりをとるとよいでしょう。自社に合っている製品を見つけられます。
提供形態(クラウドまたはオンプレミス)を検討する
人事評価システムは、提供形態によりクラウド型とオンプレミス型にわかれます。それぞれの特徴は次の通りです。
| 種類 | 特徴 |
| クラウド型 | インターネットを介してシステムを利用するタイプ。リアルタイムで情報を共有できるうえ、場所や時間を問わず利用できるため、評価業務を効率化しやすい。また、初期費用を抑えやすく、管理の手間もかかりにくい。ただし、カスタマイズ性は、オンプレミス型より劣る |
| オンプレミス型 | 自社でサーバーやネットワークなどを保有してシステムを運用するタイプ。自社の環境にあわせて開発を行えるため、カスタマイズ性はクラウド型より高い。ただし、導入コスト、運用コストとも割高になる傾向がある。また、原則としてIT人材も必要 |
それぞれに長所と短所があるため、クラウド型とオンプレミス型に優劣はありません。小規模企業には、初期費用と管理の手間がかかりにくいクラウド型が向いています。
サポート体制やセキュリティ対策を確認する
人事評価システムの導入や運用で戸惑うことがあります。専門知識が不足している場合は、サポート体制が充実している製品を選ぶことも大切です。導入前に確認しておきたい主なポイントを紹介します。
【確認しておきたいポイント】
- マニュアルの充実度
- サポート内容
- 問い合わせ方法
- 問い合わせ時間
- 有償サポートの有無
あわせて、セキュリティ体制も確認しておきましょう。人事評価では、従業員の個人情報を扱うためです。情報セキュリティの国際規格であるISO27001認証などを取得していれば、一定の対策を講じているため安心して利用できます。
小規模企業向けの人事評価システム10選
ここからは、小規模企業に適している人事評価システムを紹介します。
ヒョーカクラウド
1IDあたり100円~の月額利用料金で、人事評価をクラウド化できる人事評価システムです。予算が限られている小規模企業でも導入しやすい傾向があります。人事評価の集計管理に機能を絞り込んで、操作性を高めている点が特徴です。慣れていない方でも、迷うことなく活用できます。
評価管理、スキルマップ機能、分析・レポート機能など、人事評価に必要な機能を漏れなく搭載している点も魅力です。「評価ポイント+」との連携で、高度な人事評価を実現することもできます。また、人事評価制度の設計からサポートを受けられる点もポイントです。
| 月額利用料 | 100円/ID~ |
| 主な機能 | 評価管理・エクセル出力・アンケート・1on1ミーティング・リマインドメールの送付・スキルマップ機能・分析レポート機能など |
| サポート | 人事評価制度の設計から運用支援までプロがサポート |
ジンジャー人事評価
人事の業務効率化、生産性アップを支援する人事評価システムです。導入により運用方法が変わった場合でも対応できるようにシンプルな操作を実現しています。評価シートが、テキスト入力、チェックボックス、カレンダーなど、複数の入力形式に対応している点もポイントです。
「ジンジャー人事労務」「ジンジャー給与」などと連携して、人事業務全体を効率化することもできます。利用料金は「初期費用+月額300円~/ID」です。
| 月額利用料 | 300円~/ID |
| 主な機能 | 評価シート設定・評価者自動設定・一括リマインド設定・権限設定・評価フロー設定・通知設定など |
| サポート | メールおよびチャットでサポート。有償サポートあり |
人事評価システム MIRAIC
中小企業を対象とする人事評価システムです。月額利用料を抑えて、導入を支援しています。自社で初期設定を行えば、初期費用はかかりません(依頼した場合は20万円~)。
主な特徴は、現行の人事評価制度にあわせてカスタマイズを行えることです。さまざまな評価シートを登録できるようにしています。シンプルで簡単な操作も魅力です。スマートフォンから入力することもできます。
| 月額利用料 | 15,000円(社員数50人以下の金額。社員数・サービスで変動) |
| 主な機能 | 1on1機能・マルチレビュー機能なども提供 |
| サポート | 人事制度設計支援などのコンサルティングを提供(別費用) |
人事評価ナビゲーター
コンサルティング会社が提供するコストパフォーマンスにこだわった人事評価システムです。初期費用11万円~、月額利用料5,500円~(2機能プランの場合)で利用できます。コンサルティング経験をもとに、人事評価に必要な機能を厳選している点が特徴です。
具体的には、正確な評価をサポートする評価履歴の閲覧機能などを搭載しています。無駄な機能を搭載していないため、迷わずに操作できるでしょう。
| 月額利用料 | 5,500円~ |
| 主な機能 | 報告書自動生成・メモ機能・評価履歴の閲覧機能 |
| サポート | 導入レクチャー、電話・オンラインサポート、研修動画などを無料で視聴可能 |
MINAGINE人事評価システム
従業員100名以下の企業に最適化した人事評価システムです。評価データをクラウドで一元管理できます。主な特徴は、人事評価に必要な機能だけを搭載して、操作をシンプルにしていることです。
具体的な機能として、評価項目のカスタマイズや進捗管理の見える化などが挙げられます。利用料金は「初期費用20万円~+月額利用料1万円~」です。
| 月額利用料 | 基本料金(1~30名):10,000円人数課金(31名~):300円/人 |
| 主な機能 | カスタマイズ機能・面談記録機能・CSV出力機能・PDF出力機能・メモ機能など |
| サポート | 導入サポート、運用サポート |
GooooN
中堅・中小企業を対象とする人事評価システムです。プランは目的に合わせて4つにわかれます。「目標管理・人事評価」プランを選んで、人事評価に必要な機能だけを利用することもできます。具体的な機能は、従業員機能、管理職機能、人事部・経営者機能に分類できます。それぞれの立場で、やるべきことを直感的に理解できる点がポイントです。
サポートの提供にも力を注いでいます。自社の制度や運用に合わせた組み込み設定を行ってくれるため、面倒な初期設定は不要です。さらに、人事に詳しいスタッフが、導入前から導入後までアドバイスをしてくれます。
| 月額利用料 | 15,000円~ |
| 主な機能 | 目標管理・人事評価・面談管理・相対調整支援・フィードバック機能など |
| サポート | 導入コンサルティング・選任担当サポーター・問い合わせ・個別相談会 |
ヒトマワリ
月額2万円~(スタートプラン)で利用できる人事管理システムです。ただし、評価をクラウド管理する「評価ワークフロー機能」を利用したい場合は「スタンダードプラン(月額6万円~)」での契約が必要です。
スタンダードプランでは、人材データベース機能や組織シミュレーション機能、採用管理機能、BI機能などを利用できます。人材データを効率よく管理したいときに向いている製品といえるかもしれません。サポートが充実している点も特徴です。初期費用無料で、営業とカスタマーサクセスから導入サポートを受けられます。
| 月額利用料 | 20,000円~ |
| 主な機能 | 評価ワークフロー機能・アンケート機能・人材データベース機能・採用管理機能・BI機能・組織シミュレーション機能 |
| サポート | 導入サポートなど |
SmartHRタレントマネジメント
人事評価・採用管理・スキル管理・キャリア台帳などの機能を搭載しているタレントマネジメントシステムです。人事評価では、評価業務の効率化につながるさまざまな機能を活用できます。
具体的には、カスタマイズ性の高い評価シート、フィードバック専用のテンプレート、評価者を自動で設定する機能、部署全体の評価を可視化する機能などが挙げられます。評価データと他の機能を自動で連携させて、組織改善を進められる点も魅力です。
| 月額利用料 | 要問合せ(初期費用・サポート費用無料) |
| 主な機能 | 人事評価・採用管理・配置シミュレーション・キャリア台帳・スキル管理・学習管理など |
| サポート | チャットサポート・導入前、導入後に活用できるコンテンツ・使い方ガイドなど |
カオナビ
従業員データベース・評価・労務管理・人材配置などに関する機能を搭載しているタレントマネジメントシステムです。評価では、簡単な操作で人事評価制度を運用できる「評価ワークフロー」を利用できます。
主な特徴は、ドラッグ&ドロップでパーツを選び、自社ならではの評価制度を作れることです。MBO評価、360度評価などの評価テンプレートを活用することもできます。1社に1人の専任スタッフが付くなど、サポートが充実している点も魅力です。
| 月額利用料 | 要問合せ |
| 主な機能 | 評価フォームカスタマイズ・評価テンプレート・ワークフロー作成・エクセル帳票出力 |
| サポート | 専任サポート・見守りサポート・サポートツール |
HRBrain
必要な製品を組み合わせて利用できるクラウドサービスです。人事評価・タレントマネジメント・スキル管理などのサービスを展開しています。人事評価の特徴は、簡単な操作で評価データを一元管理して業務を効率化できることです。
たとえば、OKR・MBOなどの評価シートテンプレートを活用できます。これらを自社に合わせて、カスタマイズすることも可能です。評価結果の集計や調整もシステム上で簡単に行えます。リマインドメールを一括送信したり、データを集計・出力したりすることもできます。代行サービスや評価者研修などのサポートプランが充実している点も特徴です。
| 月額利用料 | 要問合せ |
| 主な機能 | 評価テンプレート・シートカスタマイズ・評価ダッシュボード・1on1キャリア/面談記録・ワークフロー設定など |
| サポート | 初期設定から運用までサポート。代行サービスなどのサポートプランあり |
小規模企業が人事評価システムを導入する際の注意点
小規模企業が人事評価システムを導入する場合に注意したい点は次の通りです。
【導入時の注意点】
- 適切に初期設定やカスタマイズを行う
- 従業員への説明と運用ルールの共有を徹底する
- 評価後には適切なフィードバックを欠かさない
- システム任せにせず評価者の教育を行う
ここでは、これらの注意点について解説します。
適切に初期設定やカスタマイズを行う
人事評価制度の内容は、企業により異なります。システム導入時に初期設定やカスタマイズを適切に行い、自社の評価制度を反映させることが重要です。ただし、現行の人事評価制度を必ず引き継がなければならないわけではありません。業務を効率化したいケースなどでは、重要な評価項目だけを引き継ぐことも考えられます。現行の人事評価制度に課題を感じている場合は、システムの導入にあわせて見直しを行ってもよいでしょう。
従業員への説明と運用ルールの共有を徹底する
導入時に、従業員への説明を徹底することも大切です。人事評価に変化が生じるため、従業員が不安を感じることもあります。丁寧に説明したいポイントは以下の通りです。
【説明する点】
- 人事評価システムを導入する目的
- 導入により生じる変化
- 従業員のメリットとデメリット
スムーズに導入するため、丁寧な説明で理解と納得を得る必要があります。また、評価の透明性を高めるために、運用ルールを策定して周知することも欠かせません。運用ルールは、誰がどのタイミングで何をするか定めたルールです。現場の意見を取り入れると、業務に浸透しやすくなります。
評価後には適切なフィードバックを欠かさない
評価とフィードバックをセットで行うことも重要です。フィードバックは、被評価者が行った仕事に対して評価や意見を伝える取り組みといえます。被評価者の納得感を高めて、モチベーションを引き上げたり、成長を促したりする効果を期待できます。
ただし、常に同様の効果を期待できるわけではありません。たとえば、フィードバックに時間がかかると、記憶が曖昧になるためアドバイスを次の業務に活かしにくくなります。できるだけ早いタイミングでフィードバックを行うことが大切です。
システム任せにせず評価者の教育を行う
人事評価システム導入後も、最終的な評価を行うのは自社の担当者です。基準や項目を正しく理解していないと、公平・公正な評価を行えない恐れがあります。
人事評価に対する不信感は、会社に対する満足度の低下を招き、離職率の増加につながります。人事評価システムの中には、評価の偏りを是正する機能を搭載しているものもありますが、偏りを完全に解消できる保証はありません。したがって、評価者に対する教育を行うことも重要です。
人事評価システム導入に関するよくある質問
ここからは、人事評価システムの導入でよくある質問に回答します。
無料トライアルはありますか?
人事評価システムの多くは、無料トライアルを用意しています。ただし、無料デモのみ用意している製品もあります。両者の違いは以下の通りです(言葉の定義はベンダーにより異なることがあります)。
| 分類 | 概要 |
| 無料トライアル | 自社の環境にシステムを導入して、使い心地を実際に確かめられる |
| 無料デモ | ベンダーの担当者が操作する画面を見て、機能や操作を確かめられる |
実際に操作したい場合は、無料トライアルを利用しましょう。
導入までの期間はどれくらいかかりますか?
導入にかかる期間はケースにより異なります。現行の人事評価制度や製品の提供形態など、さまざまな条件が影響します。以上を前提としたうえで、目安を示すと最短で1カ月程度です。
オンプレミス型よりもクラウド型のほうが、導入にかかる期間は短い傾向があります。具体的な所要期間は個別の確認が必要です。
導入や運用の費用はどのくらいかかりますか?
導入や運用にかかる費用もケースにより異なります。一般的な目安は、以下の通りです。
| 分類 | クラウド型 | オンプレミス型 |
| 初期費用 | 0万円~20万円 | 100万円~ |
| 運用費用 | 1万円~6万円/月 | 10万円~/月 |
オンプレミス型の運用費用は、保守管理費用などで構成されます。具体的な金額はさまざまな条件で変動するため、見積もりをとって確認する必要があります。
勤怠・給与システムと連携できますか?
人事評価システムの中には、勤怠管理システムや給与計算システムと連携できるものがあります。データの二重入力をなくせるため、それぞれの業務を効率化できる、ミスを減らせるなどの効果を見込めます。
ただし、すべてのシステムと自由に連携できるわけではありません。製品により連携できるシステムは異なるため、導入しているシステムと連携したい場合は事前の確認が必要です。
人事評価システムを導入して小規模企業の評価業務を効率化
本記事では、小規模企業に向いている人事評価システムなどを紹介しました。導入により期待できる主なメリットとして、評価業務の効率化や評価基準の統一が挙げられます。従業員のモチベーションアップや離職率の低下につながるでしょう。導入する製品は、自社の人事評価制度に適した製品を選ぶことが重要です。
主な評価方法に対応している製品をお探しの方は「ヒョーカクラウド」を候補に加えてみてはいかがでしょうか。コンピテンシー評価やMBO評価に対応しています。導入後のサポート体制も整っており、小規模企業でも安心して利用できます。
監修者情報
山本 直司(やまもと ただし)
株式会社シーグリーンHR事業部
評価制度構築チームマネジャー
これまでに100社以上の評価制度構築・見直しを担当し、特に100名以下の中小企業に適したシンプルで効果的な仕組みづくりを強みとしています。
構築にとどまらず運用支援まで一貫して行い、導入企業の9割以上が継続的に活用している実績があります。
【令和版】評価制度の作り方をプレゼント!
【令和版】評価制度の作り方

この資料で分かること
- 今、人事評価制度を作る必要性
- 人事評価制度 タイプ別メリット・デメリット
- 評価項目サンプル

















