人事評価制度の改善構築に失敗しない5つの条件~①経営者の気持ちを伝える~

人事評価制度の失敗を防ぐには、5つの条件を意識することが大切です。今回は5つの条件の1つである「経営者の気持ちを含める」に焦点をあてて、人事評価制度の失敗を防ぐ方法について紹介します。

会社は経営者が創設した(または引き継いだ)ものであり、経営者のビジョンが主軸となり成立するものです。人事評価制度に経営者の気持ちを伝えることは重要なものの、制度内に「経営者の気持ち」が含まれないケースも、往々にして見受けられます。

経営者の思いが伝わらない人事評価制度は思うような結果が出にくく、企業・従業員にズレを生じさせがちであり、双方の間に溝をつくる可能性もあるでしょう。溝が大きくなると、生産性低下や離職といったデメリットが生じやすくなります。

そこで当記事では、人事評価制度の改善や構築で経営者の気持ちを伝える方法や、重要性・注意点などを解説します。

人事評価制度の改善・構築に大切な5つの内容

冒頭で伝えたとおり、人事評価制度の改善構築を成功させるには、5つの条件を意識する必要があります。

~人事評価制度の改善構築に大切な5つの内容~

  • ①経営者の気持ちを伝える
  • ②シンプルでわかりやすい
  • ③評価は面談が大事
  • ④人事評価制度をPDCAで改善
  • ⑤人事評価制度を報酬制度に反映する

今回の記事では、「①経営者の気持ちを含める」について、詳しく解説します。

人事評価制度に「経営者の気持ちを伝える」が重要な理由

人事評価制度は、従業員および会社全体の生産性を高め、企業の持続的発展につなげる管理制度のことです。人事評価制度に「企業として達成したい内容」を含めたうえで、それぞれの従業員が、企業の目標達成に向けた動きができると理想的です。

人事評価制度に含めるべき「企業として達成したい内容」は、会社の創設者である経営者の思いを指します。そのため、適切な人事評価制度を用意するには、制度内に経営者の気持ちを含めることが必須だといえます。経営者の気持ちを含めた人事評価制度は、企業と従業員の気持ちにギャップを生じにくく、モチベーション維持・向上や、業績アップなどにもつながるでしょう。モチベーションがアップすれば、定着率向上も期待できるため、よりいっそうチームに一体感が出やすくなります。

経営者の気持ちを伝える際の注意点

人事評価制度に経営者の気持ちを伝える際には、以下の内容に注意することが大切です。

シンプルな評価制度にする

人事評価制度に経営者の気持ちを含めても、評価制度が複雑化すると、「制度の目的がわかりにくい」「制度の運用が煩雑」などの背景から、制度の形骸化につながります。

人事評価制度が正しく機能しなければ、当然ながら経営者の気持ちも伝わりません。そのため、評価項目を適正量にするなど、シンプルな評価制度にする必要があるでしょう。

定期的なフィードバックを実施する

人事評価制度を実施したら、制度の反応や効果の検証を行ない、状況確認する姿勢が大切です。そのためには、定期的なフィードバックが必要だといえます。フィードバックを行なえば、人事評価制度に経営者の気持ちを反映した結果、どれだけ内容が伝わっているかもわかるでしょう。

MVVをベースにする

経営者の気持ちを伝えるといっても、多くの内容が出てきてしまい、結局何を伝えたいかわからない事態に陥る可能性があります。まとまりのない状況を防ぐには、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をベースとしながら、経営者の気持ちをまとめることが大切です。次項にて、経営者の気持ちを人事補評価制度と連動すべく、MVVをベースとする方法について解説します。

MVVについて詳しい内容を知りたい人は、以下の記事もご参照ください。

ミッションとは?ビジョン・バリュ―との違いや設定のコツを紹介

経営者の気持ちを人事評価制度と連動する方法

前述のとおり、経営者の気持ちを人事評価制度と連動するには、MVVをベースに考えることが大切です。以下の手順で進めることで、人事評価制度と経営者の気持ちを、適切に連動できるでしょう。

1、会社の方針(MVV)を用意

まずは、会社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を用意することが大切です。

ミッションは会社の存在意義であり、ビジョンは会社の理想像に該当し、バリューはミッションとビジョンを達成するための方法を指します。

MVVの設定では、事業内容を精査することからはじまり、社会的ニーズや自社の強みと照合しつつ、正式な内容を決定していきます。設定する順番を「ミッション→ビジョン・バリュー」とすると、スムーズに決められます。

またMVVは会社の土台に該当するため、正式な設定は経営者だけで実施するのではなく、経営にかかわるマネージャー層なども交えることが大切です。

MVVをベースに各部署ごとのミッションシートを作成

MVVを設定し、会社の方向性や考え方を言語化できたら、それらの内容をミッションシートに落とし込みます。ミッションシートとは、各従業員の役割や目標を設定し、目標達成に向けた状況を管理するシートのことです。Excelで管理するケースや、人事評価システムの機能を活用するなど、管理方法はさまざまです。

ミッションシートには、以下のような内容を設けることが一般的です。

  • 目標
  • 目標を達成する時期
  • 目標達成に向けたプロセス
  • プロセスのチェック方法

ミッションシートを用意すれば、目標が具体的になり達成速度が早まり、現状の問題点なども把握しやすいでしょう。

ミッションシートの内容をもとに評価項目を作成

ミッションシートを用意できたら、その内容をもとに、具体的な評価項目を作成します。
評価項目とは、人事評価制度を実施する際に必要な項目であり、従業員を適切に評価する際に必要な判断基準だといえます。

評価項目には、年功序列・能力評価・職務評価・役割評価などが存在し、企業の目的に応じて使い分けることが大切です。適切な評価項目を設けたうえで、人事評価を実施すれば、MVVを従業員に浸透させられるでしょう。また経営者の気持ちを人事評価制度と連動する際に「MVVをベース」としているため、MVVが浸透すれば、必然的に経営者の気持ちを伝えられます。

まとめ:経営者の気持ちが伝わる人事評価制度をつくるなら

人事評価制度に経営者の気持ちを含めると、人事評価を実施するだけで、従業員に対し経営者の気持ちを浸透させられます。経営者の気持ちを適切に伝える人事評価制度をつくりたいなら、MVVの用意やミッションシートの作成もサポートしてくれる「人事評価構築パッケージ」がオススメです。

MVVの設定方法はもちろんのこと、ミッションシートをもとに、どういった評価項目を設定すればよいかもサポートしてくれます。運用面で困ったことがあっても、担当者が迅速丁寧に対応するため、人事評価制度に詳しくない人であっても安心です。

経営者の気持ちが伝わる人事評価制度を用意したい場合には、人事評価構築パッケージをぜひご検討ください。

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【令和版】評価制度の作り方
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この資料で分かること

  • 今、人事評価制度を作る必要性
  • 人事評価制度 タイプ別メリット・デメリット
  • 評価項目サンプル