人事評価制度の改善構築に失敗しない5つの条件~⑤評価制度を報酬制度に反映する

人事評価制度の改善・構築に失敗しないために、意識すべき5つの内容が存在します。今回は5シリーズの中から、最後に該当する「評価制度を報酬制度に反映する」について解説します。

人事評価制度でよくある失敗例の1つに、評価結果をうまく報酬に反映できず、従業員の不満をつのらせるケースが挙げられます。報酬は、従業員の頑張りを「わかりやすく表現できる方法」の1つです。頑張りが報酬に反映されなければ、モチベーションを維持できない可能性があるでしょう。

そこで今回は、人事評価制度を成功させるべく、評価結果を適切に「報酬制度に反映させる」方法を紹介します。

※シリーズ1つ目~4つ目については、以下をご参照ください。

人事評価制度の改善・構築に大切な5つの内容

人事評価制度の改善・構築には、以下5つの要素が必要です。

  • ①経営者の気持ちを伝える
  • ②シンプルでわかりやすい
  • ③評価は面談が大事
  • ④人事評価制度をPDCAで改善
  • ⑤人事評価制度を報酬制度に反映する

今回は⑤の「人事評価制度を報酬制度に反映する」について、詳しく解説します。

人事評価制度と報酬を反映しないとどうなる?

人事評価制度と報酬を反映しないと、「自分の営業成績はあがっているのに、一向に給与が増えない」などと、待遇への不信感につながります。待遇への不信感は、「会社が自分の頑張りを認めてくれない」といった気持ちを芽生えさせ、やがて会社への不満に直結するでしょう。

また評価結果と報酬が結びつかなければ、何を実現すれば報酬がアップするかについて不明なため、手探りで日々を過ごすことになります。ゴールの見えない日々では、頑張る理由も見えにくく、モチベーションダウンによるパフォーマンス低下も危惧されます。

また、実際には人事評価制度と報酬を反映していても、従業員が「報酬に反映されていること」に気が付かなければ、人事評価制度と報酬が反映していないも同然です。

人事評価制度と報酬を反映させる必要性・メリット

人事評価制度と報酬を反映させる主な必要性・メリットは、以下のとおりです。

成果と報酬が一致しモチベーションアップにつながる

人事評価制度で導いた結果が報酬に反映されると、「自身の頑張り」が給与といった目に見える状態になるため、モチベーションアップにつながる傾向にあります。意欲的に日々を過ごせることで、業務への積極性も垣間見え、さらなる報酬アップも期待できるでしょう。

目標ができることで、自発的な行動が期待できる

一定の成果やプロセスによって、行動が報酬に反映されるため、何を頑張れば評価されるかが一目瞭然です。評価対象が明確になれば、目標達成に向けて効率的な行動が取れるようになります。さらなる効率的な行動を目指すべく、自ら考え、行動する人も増えるでしょう。自発的に取り組む人が増えれば、会社全体の生産性や業績アップも期待できます。

会社への信頼感が増す

日々の頑張りと報酬が一致すれば、会社が正当に評価してくれることがわかり、組織への信頼感が増すでしょう。また、頑張りを報酬に反映させる企業体制に対して信頼が増し、エンゲージメントアップも期待できるでしょう。エンゲージメントが高まれば、「この会社で頑張ろう」という思いが強まることから、離職率の低下にもつながります。

人事評価制度を報酬制度に反映する注意点

単に評価結果を報酬制度に反映しても、それだけではうまくいかないケースも見受けられます。人事評価制度を報酬制度に反映する際には、以下の内容に注意することが大切です。

人事評価制度の内容自体を見直す

ベースである「人事評価制度」の内容そのものが不適切であれば、報酬制度と連携させてもうまく機能しないでしょう。そのため、基盤となる「人事評価制度」について、それぞれの内容を見直すことが大切です。

降給や降格時の条件を明確化する

評価結果の内容によっては、前回よりも報酬や階級が下がる可能性もあるでしょう。以前よりも待遇が下になるケースに関しても、ルールを明確化することで、企業と従業員間のトラブルを防止できます。また評価基準も明確にすれば、今後どういった内容に気を付ければ「昇給・昇格できるか?」についてもイメージできます。

どの評価がどの程度「報酬に反映されるか」を示す

どういった評価項目を、どの程度において報酬に反映させるかは、会社によって異なるでしょう。また、評価結果の報酬への反映度合いは、従業員のモチベーションを左右する重要な要素です。明確な規定を設け、その内容を従業員にも周知させることで、従業員の納得度や信頼感も増すでしょう。

人事評価制度を報酬制度に反映させる方法

人事評価制度改善を報酬制度に反映させる基本的な方法は、以下のとおりです。

ベースとなる人事評価制度を見直す

ベースとなる「人事評価制度」を適切な状態にしないと、うまく報酬制度に反映できないでしょう。長年にわたり、同じ内容の人事評価制度を使っている場合には、とくに注意が必要です。環境の変化によって、適する人事評価制度は刻一刻と変わります。人事評価制度の見直しをしたことがなければ、時代にそぐわない評価結果を導いている可能性も否定できません。1年以内に人事評価制度の見直しを実施していなければ、内容の検討をオススメします。

人事評価制度の内容をシンプル・明確にする

評価項目が多いなど、複雑化した人事評価制度は、内容をシンプルにする必要があります。複雑な人事評価制度は、報酬と反映させる際に手間がかかるだけでなく、思うような内容を導けない可能性もあるでしょう。

そもそも複雑な人事評価制度は、評価の要点が見えにくく、形骸化しやすいといった特徴も持ち合わせます。

専門的な知識をもつ人が対応する

人事評価制度の報酬制度への反映は、従業員のモチベーションを左右し、企業の今後にも影響しうる重大な要素です。そのため、専門的な知識のない人が手探りで実施することは、危険な行為だといえます。人事評価制度と報酬制度の反映は、専門的な知識をもつ人が対応すべきだと言い切っても、言い過ぎではないでしょう。

人事評価制度を報酬制度に反映するなら

人事評価制度を報酬制度に反映すると、自分の頑張りと報酬がリンクすることで、従業員のモチベーションアップが期待できます。各自の自発的な行動にもつながり、生産性や業績の向上にも寄与します。

とはいえ、人事評価制度を報酬制度に反映するには、専門的な知識が不可欠です。自社内に人事評価制度に長けた人物が存在せず、リソース不足の場合には、外部のプロへの依頼を検討するとよいでしょう。

株式会社シーグリーンの人事評価構築パッケージは、人事評価制度を報酬制度に反映すべく、専門家のサポートと人事評価システムがセットになったパッケージです。運用1年サポートもついてくるため、手厚いサービスが期待できるとともに、人事評価制度に不安を覚える人も安心して利用できます。人事評価制度を適切に報酬制度へ反映したい場合には、人事評価構築パッケージをご検討ください。

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【令和版】評価制度の作り方
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この資料で分かること

  • 今、人事評価制度を作る必要性
  • 人事評価制度 タイプ別メリット・デメリット
  • 評価項目サンプル