人事評価制度を設計するMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?

人事評価制度を適切にすすめたいと考え、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に着目する人も見受けられます。とはいえ、MVVをうまくイメージできないケースも、多いのではないでしょうか?

そこで当記事では、人事評価制度を設計するMVVについて、概要・重要性・設定方法をはじめ、MVVを人事評価制度に取り入れる方法なども解説します。人事評価制度を適切にすすめるべく、MVVについて理解を深めたい場合には、ぜひ当記事を参考にしてください。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、企業の目標達成に必要な要素であり、3つは互いにリンクする関係です。MVVが適切に設置されることで、企業が理想とする未来を実現できます。

ミッション(Mission)とは、企業が達成すべきことであり、企業が存在する意味・意義だといえるでしょう。ビジョン(Vision)は企業の理想像であり、ミッションが達成された状態を指します。バリュー(Value)は企業が実施すべき内容を指し、ミッションとビジョンの達成に欠かせない事項です。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)について、詳細を知りたい場合には、以下の記事もご参照ください。

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MVVと企業理念・行動指針・パーパスとの相違点

MVVと似た言葉として、「企業理念」「行動指針」「パーパス」が挙げられます。ここでは、MVVと「3つの言葉」の違いを解説します。

企業理念との相違点

企業理念とは、企業経営の方針を指したものであり、環境の変化などに応じて変化するものです。MVVのビジョン(=企業の理想像)に該当する言葉であり、多くの企業において、企業理念とビジョンは同等の意味になるケースが多いでしょう。

行動指針との相違点

行動指針とは、企業理念の実現に向けたプロセスを指します。行動指針が明確になれば、従業員が何をすべきかがわかるでしょう。行動指針は、MVVのバリュー(=企業が実施すべき内容)とほぼ同じ意味だといえます。

パーパスとの相違点

パーパスとは、企業の達成したい目的を指します。事業が存在する意味であり、なぜ事業を展開するかを表します。パーパスは、MVVのミッションと似た部分があるものの、パーパスはゴールそのものであり、ミッションはゴールに向けた行動という違いがあるでしょう。

MVVの必要性とは?

MVVに着目する企業は増えており、必要性が高まっています。MVVを必要とする主な理由は、以下の通りです。

組織力を高める

企業の目標を達成するには、従業員の歩む方向を統一すべく、組織力を高める必要があります。とはいえ、従業員に共通した指標がなければ、それぞれ異なる方向を目指してしまうため、組織力を高めることは難しいでしょう。

MVVという統一指標ができれば、足並みのバラバラだった従業員が同じ方向にすすみやすくなり、組織力向上につながります。

従業員のモチベーションアップ

MVVがあると、企業の目標とプロセスが明確になるため、各従業員は「企業の目標達成に向けて、自分が何をすべきか」が見えてくるでしょう。自分のやるべきことが明確になると、目指す目標ができ、目標達成に向けて頑張るきっかけになります。日々の仕事を頑張れると、モチベーションアップにつながり、生産性や業績の向上も期待できます。

企業の認知度アップ

MVVは企業の存在意義を指し、明文化することで、企業のやるべきことがクリアになるでしょう。ビジネス展開の模様や、ニーズなども社外に示せるため、PR材料になり得ます。MVVを適切に設定し、PR材料として周囲に周知させれば、企業の認知度アップにつながります。認知度が高まりMVVに共感する人が増えれば、さらなるファンを増やせるでしょう。

採用活動の効率化

MVVに基づき採用活動をすすめると、MVVを判断基準として書類選考や面接を実施できるため、効率的な採用が実現します。一次面接が人事担当者で、二次面接が役員など、採用のステージによって担当者が違っても、MVVがあれば採用結果に一貫性を持たせられるでしょう。またMVVを社外にもPRすれば、MVVに共感した人から応募が集まりやすく、応募の確度も高められます。

MVVの設定方法

MVVには、組織力・モチベーション・認知度の向上や、採用活動の効率化といったメリットがあるとわかりました。MVVのメリットを最大限に享受するには、MVVの適切な設定方法を知る必要があります。MVVの基本的な設定方法は、以下の通りです。

1、事業内容を精査する

まずは、MVVのベースに該当するバリューを作成するため、事業内容の精査からはじめます。経営者はもちろんのこと、経営に関わる幹部メンバーも交え、事業内容を精査することが大切です。MVVは企業の土台になるため、経営に関わる人物を揃える必要があります。企業の将来的な目標や、必ず達成したいことなどを考えると、事業内容をまとめやすいでしょう。

2、社会的ニーズや自社の強みを分析

社会的に価値や需要があるMVVでなければ、世間に受け入れてもらいにくいでしょう。MVVは、社会的ニーズや自社の強みを分析したうえで、内容を策定することが大切です。市場チェックをはじめ、「競合他社の状況を精査」や「他社には負けない自社の強みを抽出」することで、他社との差別化も実現できるでしょう。

分析結果をMVVに落とし込む

社会的ニーズや自社の強みを分析できたら、分析内容を「ミッション→ビジョン→バリュー」の順番で落とし込みます。

ミッションでは、会社が何を目指し、世間にどういった価値をもたらすかを設定します。つづくビジョンでは、どういった状態が会社にとって理想かを明示しましょう。最後のバリューでは、ミッションとバリューの実現に向けた、具体的な基準や行動を設定します。

MVVを実施する際の注意点

適切なMVVを設定し、効果を最大限に享受するために、注意すべきポイントが存在します。MVVを実施する際の主な注意点は、以下の通りです。

シンプルさを意識する

MVVは、誰であっても理解できる内容が望ましいといえます。複雑だったり難しい言葉を使用したMVVだと、そもそも理解できないケースをはじめ、誤った認識をする人も出てくるでしょう。企業経営に影響するMVVという特性上、すべての従業員が理解できるよう、シンプルさを意識することが大切です。

社内全体に浸透させる

適切なMVVが存在しても、実行する従業員が理解していなければ、MVVを用意した意味が半減してしまいます。そのため、以下のような方法で、社内全体に浸透させることが大切です。

  • 朝礼などでの報告
  • 自社サイトや社内報で公開
  • 人事評価制度に内容を組み込む

MVVの浸透には、定期的な伝達が欠かせません。しかし定期的な伝達を心掛けると、伝達が負担になるケースや、伝達モレも考えられます。担当者の負担も軽減し、伝達モレを防ぐ方法として適するのは、人事評価制度に内容を組み込む方法です。

人事評価制度と連動させる

前述の通り、MVVの浸透に適する内容は、人事評価制度にMVVを組み込むことです。人事評価制度にMVVを連動させれば、人事評価制度を実行するだけで、MVVが浸透していくでしょう。また評価結果をチェックすると、どれだけMVVが浸透しているかも判断できます。MVVを設定したうえで、役割と責任をミッションシートに落とし込み言語化し、さらに評価項目として設定すれば、人事評価制度とMVVの連動が完成します。

MVVと人事評価制度を連動させよう

MVVの効果を最大限に高めるには、人事評価制度との連動が大切だといえます。
人事評価制度との連動を考える場合には、人事評価システムに定評がある株式会社シーグリーンの「人事評価構築パッケージ」がオススメです。

MVVからミッションシート・評価項目への落とし込みをはじめ、運用面もサポートします。人事評価制度を適切にすすめたいと考え、MVVも設定したいと考える場合には、人事評価構築パッケージをぜひご検討ください。

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【令和版】評価制度の作り方
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この資料で分かること

  • 今、人事評価制度を作る必要性
  • 人事評価制度 タイプ別メリット・デメリット
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